公共工事 積算 ナレッジ
最低制限価格と低入札価格調査制度は何が違う?
混同されやすい2つの制度の違いを、やさしく解説
「最低制限価格」と「低入札価格調査制度」は、どちらも公共工事の入札でよく耳にする制度ですが、「同じようなもの」と思われることも少なくありません。実は、この二つは目的も運用方法も異なる制度です。違いを知ることで、入札制度への理解がさらに深まります。
1. 最低制限価格とは?
最低制限価格とは、この価格を下回ると失格になる基準価格のことです。発注者があらかじめ設定し、その価格を下回る金額で入札した場合は、内容にかかわらず落札候補者になることはできません。極端な安値による受注を防ぎ、工事品質や適正な施工体制を確保することが目的です。
▌ あわせて読みたい(詳しい解説)
最低制限価格の計算式や係数を詳しく知りたい方へ。 さらに詳しくは、関連ピラー記事「最低制限価格の計算方法を完全解説」で体系的に解説しています。
2. 低入札価格調査制度とは?
一方、低入札価格調査制度では、基準価格を下回ったからといって、すぐに失格になるわけではありません。発注者が次のような点を調査し、その結果を踏まえて落札の可否を判断します。
- 適切な施工が可能か
- 必要な人員や資機材を確保できるか
- ダンピングではないか
つまり、「価格が低い理由」を確認する制度です。
3. 一番の違いはここ!
両者の違いを簡単にまとめると、判断の仕組みが異なります。
| 項目 | 最低制限価格 | 低入札価格調査制度 |
|---|---|---|
| 基準を下回った場合 | 自動的に失格 | 調査を実施し、結果で判断 |
| 目的 | 品質・施工体制の確保 | 品質確保(施工能力も確認) |
| 主な対象 | 比較的小規模な工事 | 大規模・高度な技術を要する工事 |
どちらも品質確保を目的としていますが、基準を下回ったときの扱いが根本的に異なります。
4. なぜ制度が分かれているの?
工事の規模や内容によって、求められる判断は異なります。比較的小規模な工事では、最低制限価格を設けることで運用しやすくなります。一方、大規模工事や高度な技術が必要な工事では、価格だけで判断せず、施工能力も含めて評価する必要があります。そのため、案件に応じて制度が使い分けられているのです。
5. 現場のリアルとまとめ
入札では、「最低制限価格だけ」を意識してしまうケースもあります。しかし、発注機関によって採用している制度は異なります。公告や入札説明書を確認し、「今回は最低制限価格なのか、それとも低入札価格調査制度なのか」を把握しておくことが重要です。
▌ まとめ
- 最低制限価格:基準価格を下回ると失格
- 低入札価格調査制度:基準価格を下回ると調査を実施
この違いを理解しておくことで、入札制度をより正しく読み解くことができます。
みつもりくんie2 でできること
制度の違いを踏まえた応札ライン検討に。公共工事 積算ソフト「みつもりくんie2」は、両方式に対応したシミュレーションを標準搭載しています。
最低制限価格シミュレーションを標準搭載
最低制限価格・低入札価格調査制度の計算に対応。発注公告の方式に合わせたシミュレーションが行えます。
自治体ごとの係数を管理
応札する自治体ごとの係数をマスタ管理し、制度改定への追従も一元管理できます。
感度分析で応札ラインを検討
工事費を変動させたときの基準価格の動きを即時に確認し、応札ライン検討に役立てられます。
1990年の初版「みつもりくんシリーズ」以来、35年以上にわたり公共工事の積算現場の声を反映してきた製品です。詳細はトップページの無料ウェビナーで、実際の操作画面とともにご確認いただけます。
FAQ|よくあるご質問
- Q1. 最低制限価格と低入札価格調査制度の違いは何ですか?
- 最低制限価格は、基準を下回ると内容にかかわらず自動的に失格になります。低入札価格調査制度は、基準を下回っても即失格ではなく、施工が可能かなどを発注者が調査し、その結果で落札の可否を判断します。
- Q2. 低入札価格調査制度では何を調査するのですか?
- 適切な施工が可能か、必要な人員や資機材を確保できるか、ダンピングではないか、などを調査します。「価格が低い理由」を確認する制度です。
- Q3. なぜ制度が2つに分かれているのですか?
- 工事の規模・内容で求められる判断が異なるためです。小規模工事は最低制限価格で運用しやすく、大規模・高度な工事では施工能力も含めて評価する必要があるため、案件に応じて使い分けられています。
- Q4. 応札前に確認すべきことは何ですか?
- 発注機関によって採用制度が異なるため、公告や入札説明書で「今回は最低制限価格か、低入札価格調査制度か」を必ず確認しておくことが重要です。
次のステップ
積算・入札の実務を、
「勘」から「仕組み」へ
公共工事の積算基準・単価は毎年見直されます。最新の基準を反映し、積算精度を安定させる仕組みづくりに、公共工事 積算ソフト「みつもりくんie2」をご活用ください。