公共工事 積算 ナレッジ

最低制限価格と低入札価格調査制度は何が違う?
混同されやすい2つの制度の違いを、やさしく解説

「最低制限価格」と「低入札価格調査制度」は、どちらも公共工事の入札でよく耳にする制度ですが、「同じようなもの」と思われることも少なくありません。実は、この二つは目的も運用方法も異なる制度です。違いを知ることで、入札制度への理解がさらに深まります。

📓 note

この記事は、note「みつもりくん」の連載 「【3分でわかる建設入札】」 をもとにした解説です。
元記事:最低制限価格と低入札価格調査制度は何が違う?(3分でわかる建設入札)

1. 最低制限価格とは?

最低制限価格とは、この価格を下回ると失格になる基準価格のことです。発注者があらかじめ設定し、その価格を下回る金額で入札した場合は、内容にかかわらず落札候補者になることはできません。極端な安値による受注を防ぎ、工事品質や適正な施工体制を確保することが目的です。

▌ あわせて読みたい(詳しい解説)

最低制限価格の計算式や係数を詳しく知りたい方へ。 さらに詳しくは、関連ピラー記事「最低制限価格の計算方法を完全解説」で体系的に解説しています。

2. 低入札価格調査制度とは?

一方、低入札価格調査制度では、基準価格を下回ったからといって、すぐに失格になるわけではありません。発注者が次のような点を調査し、その結果を踏まえて落札の可否を判断します。

  • 適切な施工が可能か
  • 必要な人員や資機材を確保できるか
  • ダンピングではないか

つまり、「価格が低い理由」を確認する制度です。

3. 一番の違いはここ!

両者の違いを簡単にまとめると、判断の仕組みが異なります。

項目最低制限価格低入札価格調査制度
基準を下回った場合自動的に失格調査を実施し、結果で判断
目的品質・施工体制の確保品質確保(施工能力も確認)
主な対象比較的小規模な工事大規模・高度な技術を要する工事

どちらも品質確保を目的としていますが、基準を下回ったときの扱いが根本的に異なります

4. なぜ制度が分かれているの?

工事の規模や内容によって、求められる判断は異なります。比較的小規模な工事では、最低制限価格を設けることで運用しやすくなります。一方、大規模工事や高度な技術が必要な工事では、価格だけで判断せず、施工能力も含めて評価する必要があります。そのため、案件に応じて制度が使い分けられているのです。

5. 現場のリアルとまとめ

入札では、「最低制限価格だけ」を意識してしまうケースもあります。しかし、発注機関によって採用している制度は異なります。公告や入札説明書を確認し、「今回は最低制限価格なのか、それとも低入札価格調査制度なのか」を把握しておくことが重要です。

▌ まとめ

  • 最低制限価格:基準価格を下回ると失格
  • 低入札価格調査制度:基準価格を下回ると調査を実施

この違いを理解しておくことで、入札制度をより正しく読み解くことができます。

みつもりくんie2 でできること

制度の違いを踏まえた応札ライン検討に。公共工事 積算ソフト「みつもりくんie2」は、両方式に対応したシミュレーションを標準搭載しています。

最低制限価格シミュレーションを標準搭載

最低制限価格・低入札価格調査制度の計算に対応。発注公告の方式に合わせたシミュレーションが行えます。

自治体ごとの係数を管理

応札する自治体ごとの係数をマスタ管理し、制度改定への追従も一元管理できます。

感度分析で応札ラインを検討

工事費を変動させたときの基準価格の動きを即時に確認し、応札ライン検討に役立てられます。

1990年の初版「みつもりくんシリーズ」以来、35年以上にわたり公共工事の積算現場の声を反映してきた製品です。詳細はトップページの無料ウェビナーで、実際の操作画面とともにご確認いただけます。

FAQ|よくあるご質問

Q1. 最低制限価格と低入札価格調査制度の違いは何ですか?
最低制限価格は、基準を下回ると内容にかかわらず自動的に失格になります。低入札価格調査制度は、基準を下回っても即失格ではなく、施工が可能かなどを発注者が調査し、その結果で落札の可否を判断します。
Q2. 低入札価格調査制度では何を調査するのですか?
適切な施工が可能か、必要な人員や資機材を確保できるか、ダンピングではないか、などを調査します。「価格が低い理由」を確認する制度です。
Q3. なぜ制度が2つに分かれているのですか?
工事の規模・内容で求められる判断が異なるためです。小規模工事は最低制限価格で運用しやすく、大規模・高度な工事では施工能力も含めて評価する必要があるため、案件に応じて使い分けられています。
Q4. 応札前に確認すべきことは何ですか?
発注機関によって採用制度が異なるため、公告や入札説明書で「今回は最低制限価格か、低入札価格調査制度か」を必ず確認しておくことが重要です。

次のステップ

積算・入札の実務を、
「勘」から「仕組み」へ

公共工事の積算基準・単価は毎年見直されます。最新の基準を反映し、積算精度を安定させる仕組みづくりに、公共工事 積算ソフト「みつもりくんie2」をご活用ください。

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執筆

みつもりくん|コンプケア note編集部

ものづくりのまち・新潟県燕三条で、建設・設備工事向けの積算ソフト「みつもりくんie2」を開発する 株式会社コンプケアのnote編集部アカウントです。建設業界の入札・積算に関する豆知識を、現場担当者の目線で発信しています。連載「【3分でわかる建設入札】」を毎週更新中。

注意事項

掲載内容の注意事項

本ページの内容について、以下の点をあらかじめご了承ください。

基準・制度の最新性
積算基準・歩掛・単価・入札制度は、国や自治体により毎年見直される場合があります。実際の応札・積算にあたっては、必ず発注公告・自治体の公開資料で最新の内容をご確認ください。
制度運用の差異
制度の採用状況・運用方法は、発注機関や工事の種別・規模によって異なります。本ページは一般的な考え方の解説であり、特定の結果を保証するものではありません。
法令の変更
掲載内容は作成時点の情報に基づきます。法改正や制度改定により内容が変わる場合があるため、適宜最新情報の確認をお願いいたします。