公共工事 積算 ナレッジ
積算の入力漏れを自動でチェックする方法
公共工事の積算ミス防止に使えるExcelの式と、仕組みづくりのポイント
公共工事の積算ミスのなかでも、気づきにくく影響が大きいのが入力漏れです。何百行もある内訳を人の目だけで確認するのには限界があります。本記事では、入力漏れを自動で見つけられる状態をつくる方法を、Excelでそのまま使える式の例とあわせて紹介します。
1. 入力漏れはなぜ起こるのか
入力漏れの多くは、注意力の問題ではなく作業の構造から生まれます。
- 転記が多い:設計書を見ながら内訳書に打ち直す回数が多いほど、行の飛ばしや打ち忘れが起きます
- 途中で中断する:問い合わせや別作業で手が止まると、どこまで入力したか分からなくなります
- 「入れたつもり」:項目名だけ入れて単価や数量が空欄のまま、という状態は見た目では気づきにくいものです
- 確認が目視だけ:同じ人が同じ画面を見返しても、見落としは見落としのままです
原因の全体像は「公共工事の積算ミス防止|入力漏れの原因と自動チェックで防ぐ5つの対策」で解説しています。
2. Excelで入力漏れを自動チェックする5つの式
ここでは、設計書の数量を「設計書」シートに、積算した内訳を「内訳書」シートにまとめている場合の例を紹介します。列の位置は例なので、お使いの様式に合わせて置き換えてください(B列=項目名、D列=数量、E列=単価、F列=金額)。
件数と合計を照合する
行ごと抜けている漏れを見つけます。
=COUNTA(設計書!B2:B500)=COUNTA(内訳書!B2:B500)
(FALSE なら件数が合っていません)
=SUM(設計書!D2:D500)-SUM(内訳書!D2:D500)
(0 以外なら数量の合計がずれています)
内訳書にない項目を探す
「設計書」シートの空いている列に入れて下へコピーします。内訳書に同じ項目名がない行に TRUE が出ます。
=COUNTIF(内訳書!$B$2:$B$500,B2)=0
単価未入力・数量0の行に色を付ける
「内訳書」の範囲を選び、条件付き書式の「数式を使用して…」に入れます。
=AND($B2<>"",$E2="")(項目があるのに単価が空欄)=AND($B2<>"",$D2=0)(項目があるのに数量が0)
数量×単価と金額を検算する
金額を手で直した行や、式が消えている行を見つけます。
=ROUND($D2*$E2,0)<>$F2
(TRUE の行は金額が数量×単価と一致していません。端数処理のルールに合わせて調整してください)
過去案件と比べて単価の異常値を出す
前回の同種案件を「前回」シートに置き、単価が大きく違う行に印を付けます(例:3割以上の差)。
=IFERROR(ABS($E2/XLOOKUP($B2,前回!$B:$B,前回!$E:$E)-1)>0.3,FALSE)
(XLOOKUPが使えない場合は VLOOKUP で置き換えられます)
3. 自動チェックを仕組みにする3つのポイント
▌ 続けられる仕組みにするには
- チェック用のシートをテンプレートにする:案件ごとに式を作り直さず、同じ様式で毎回チェックできるようにします
- 「確認済み」の欄を設ける:自動チェックで出た行を、誰がいつ確認したかを残します。提出前の最終チェックとつなげると効果的です
- 転記そのものを減らす:設計書をPDFやExcelから取り込めば、打ち直す回数が減り、入力漏れが起きる機会も減ります
自動チェックは、見落としを見つけやすくするためのものです。最終的な判断は人が行い、複数人での確認や過去案件との比較と組み合わせましょう。
4. まとめ
▌ 入力漏れを防ぐポイント
- 件数・合計の照合で、行ごとの漏れを見つける
- 空欄・数量0・金額の不一致を、色や印で目立たせる
- 過去案件との比較で、桁違いや単位違いを見つける
- チェックをテンプレート化し、転記そのものを減らす
みつもりくんie2 でできること
Excelでのチェックに加えて、そもそもの転記・手入力を減らすことが、入力漏れを防ぐ近道です。公共工事 積算ソフト「みつもりくんie2」は、設計書の取込から内訳書作成までを効率化します。
設計書のPDF・Excel取込
設計書を取り込んで内訳書を作成。打ち直しの回数を減らし、入力漏れが起きる機会を減らします。
内訳を体系的に管理
内訳を体系的に管理でき、拾い漏れ・二重計上の確認や提出前チェックの負担を軽減します。
1ライセンスで全工種の営繕積算
建築・電気・機械設備の営繕積算に、ひとつのソフトで対応します。
1990年の初版「みつもりくんシリーズ」以来、35年以上にわたり公共工事の積算現場の声を反映してきた製品です。詳細はトップページの無料ウェビナーで、実際の操作画面とともにご確認いただけます。
FAQ|よくあるご質問
- Q1. 積算の入力漏れを自動でチェックする方法はありますか?
- あります。設計書と内訳書の件数・合計を照合する、内訳書にない項目をCOUNTIFで探す、単価未入力や数量0の行を条件付き書式で色付けする、数量×単価と金額を検算する、過去案件と比べて単価の異常値に印を付ける、といった方法がExcelで実現できます。
- Q2. Excelのチェックだけで入力漏れは防げますか?
- 見落としを見つけやすくすることはできますが、最終的な判断は人が行う必要があります。チェック用のシートをテンプレート化し、確認者と日付を残して、提出前の最終チェックや複数人での確認と組み合わせることが大切です。
- Q3. 入力漏れを根本的に減らすには?
- 設計書を見ながら打ち直す「転記」の回数を減らすことです。設計書をPDFやExcelから取り込めば、手入力の回数そのものが減り、入力漏れが起きる機会も減ります。
- Q4. 式の列の位置が自社の様式と違います。
- 本記事の式は、B列=項目名、D列=数量、E列=単価、F列=金額とした場合の例です。お使いの様式の列に合わせて、セル番地を置き換えてご利用ください。
次のステップ
積算・入札の実務を、
「勘」から「仕組み」へ
公共工事の積算基準・単価は毎年見直されます。最新の基準を反映し、積算精度を安定させる仕組みづくりに、公共工事 積算ソフト「みつもりくんie2」をご活用ください。